くすむ暇

Dec 01, 24 江間あやせ

鏡には映らないものがありそうで蛇口の水の滴りを聴く

何人の非日常を見ただろうもう壊される旅館の鏡

天井の鏡にくすむ暇はなく皮膚の湿度を感じ続ける

数えれば果てない夢の楽しみを鏡の向こうの自分に託す

磨かれたスプーンの先にうつる灯よ消される前に呪文を聞いて


くすむ暇 鏡には映らないものがありそうで蛇口の水の滴りを聴く
何人の非日常を見ただろうもう壊される旅館の鏡
天井の鏡にくすむ暇はなく皮膚の湿度を感じ続ける
数えれば果てない夢の楽しみを鏡の向こうの自分に託す
磨かれたスプーンの先にうつる灯よ消される前に呪文を聞いて

江間あやせ