帆船につき

Mar 01, 25 新戸鴎二

なす術もなく突っ伏したふりをして卓越風に捕らわれている

帆の降ろし方を忘れた船上で踊り狂っている風見鶏

どの風も僕のためには吹かなくて優しい人を指す海賊旗

五杯目のグラスで濾した風でしか鳴かない宝島のカナリア

いつまでも空の青さは何故か分からないまま帆は凪を抱く


帆船につき なす術もなく突っ伏したふりをして卓越風に捕らわれている
帆の降ろし方を忘れた船上で踊り狂っている風見鶏
どの風も僕のためには吹かなくて優しい人を指す海賊旗
五杯目のグラスで濾した風でしか鳴かない宝島のカナリア
いつまでも空の青さは何故か分からないまま帆は凪を抱く

新戸鴎二