白寿の母へ

2026.07.01 穂苅 真泉

「譲る」には優しき想ひみなありぬヘルプマークの母の外出

病む膝をかばへる母のリハビリに足元までに差しくる春陽

「新米を送つたでね。」と留守電に優しき声のいまも残れり

秋の陽は老ひも黄金に染めてゆき母のうぶ毛は聖母のやうに

濃きいろの春陽を背なに本を読む母はひとひの日時計となる


白寿の母へ 「譲る」には優しき想ひみなありぬヘルプマークの母の外出
病む膝をかばへる母のリハビリに足元までに差しくる春陽
「新米を送つたでね。」と留守電に優しき声のいまも残れり
秋の陽は老ひも黄金に染めてゆき母のうぶ毛は聖母のやうに
濃きいろの春陽を背なに本を読む母はひとひの日時計となる

穂苅 真泉