港へ、そしてそれまでのこと

May 01, 25 間際

千年の都が彩度を低くさせ発車ベルは鳴る厳かに

海沿いをなぞれば五駅ぶんの距離そこから果てまでなので、大丈夫

揺れるたび座席に沈みゆく午睡誰もが破船の均衡のなか

軽率な鎮魂歌だろう木蓮の下枝が早緑めく避難港

花ふりの音に抱かれる今だけは不協和音の岸を離れて


港へ、そしてそれまでのこと 千年の都が彩度を低くさせ発車ベルは鳴る厳かに
海沿いをなぞれば五駅ぶんの距離そこから果てまでなので、大丈夫
揺れるたび座席に沈みゆく午睡誰もが破船の均衡のなか
軽率な鎮魂歌だろう木蓮の下枝が早緑めく避難港
花ふりの音に抱かれる今だけは不協和音の岸を離れて

間際